「アイドルで考える『サービス・マーケティング』理論」62日目

「サービス・マーケティング」とは、書いて字のごとくサービス業のマーケティングです。通常、マーケティング理論は製造業(メーカー)を中心に考えられてきました。

今日はサービス業のマーケティングについて、

この2つを、アイドルカルチャーを例に見ていきます。

 

サービス・マーケティングの特徴

図1

この図のように7つの特徴があります。モノや商品であれば当然にできることが、サービスにはできません。形がなく、在庫できず、クオリティを整えるのが難しく、消費者は所有できません。

アイドルで考えてみましょう。オタクは何にお金を出しているのでしょうか。ライブハウスやコンサート会場で歌やダンスを見て心を震わせること。特典会で特別な時間を過ごし関係性を育むこと。こうしたことが「サービス業」としての中心的なアイドルカルチャーの価値と言えそうです。

そこに「物販」がミックスされます。オタクの欲求がサービスだけで満たされることはないのです。CDもDVDもコンサートグッズもチェキも生写真も欲しいわけです。

つまり、アイドルカルチャーにおけるサービス・マーケティングは、コミュニケーション中心のサービスと物販の組み合わせの「売れる仕組みづくり」となります。


サービス・マーケティングの三角関係

図2

サービス業は「企業」、「従業員」、「顧客」の三角関係で成立します。直接「企業」が「顧客」と対面でサービスを提供できないからです。「顧客」と接触する「従業員」が必要です。

2つ目の図は、それをアイドルカルチャーで表したものです。

アイドル運営は2つの満足度を高める必要があります。1つはオタクの満足度です。イベントの頻度や提供するコンテンツの内容、情報発信の仕方など、運営次第でオタクが増えたり減ったりします。一般的には、これをCS(顧客満足度)と言います。

もう1つはアイドルの満足度です。報酬や福利厚生、意見をどれくらい取り入れるかなどモチベーションを高めることが必要です。なぜかと言えば、アイドルのモチベーションがサービスの良し悪しに直結するからです。ES(従業員満足度)の考え方はアイドルカルチャーでも大切です。

そして、グループのコンセプトがオタク、アイドル両方に影響します。グループの理想像や存在意義を表現したものです。普通の会社で「企業理念」とか呼ばれるものです。

 

アイドルカルチャーを例に「サービス・マーケティング」を説明してきました。

こういう切り口で考えるの楽しいですね。理解がはかどりました。

読んでいただいた方にも少しでもおもしろいと思ってもらえていれば嬉しいです。