「教養としての労働法入門」10日目

社労士試験に合格してから、ますます労働法について考えるようになりました。

合格を知った人からいろいろ聞かれたりします。就業規則の勉強をする中で覚えたことを忘れてることに気付かされました。試験対策で詰め込んだツケが回ってきた感じです。

全体像をサクッと見通したいと思い手に取ったのが向井蘭先生の『教養としての「労働法」入門』でした。

 

 

本書は、①日本の労働法制の歴史と制定経緯、②世界の労働法制との比較を中心にしつつ、ごく基本的な日本の労働法制、裁判例を取り上げ説明しています。

(はしがきに代えて より引用)

 

労働法の知識を、歴史が"縦に"、世界との比較が"横に"広げてくれます。

歴史では、工場法というものを学ぶことができました。工場法は現在の労働基準法の原型となるものです。女性と児童の保護や労働時間規制の下敷きとして今も影響力が残っているように思います。

世界との比較では、日本と対照的なアメリカをはじめ、イギリス、ドイツ、フランス、シンガポール、中国などさまざまな国の労働法の世界に触れることができます。こうした比較が日本の労働法の理解につながりました。加えて、外国人の労働を考えるとき違いを知ることが大事だと思いました。

 

現在神戸のハーバーランドにはこれを記念した「八時間労働発祥之地」という碑が建てられています。

(第4章労働時間と有給休暇 p.234より引用)

 

シンプルに雑学が増えるのも良いです。次に神戸に行くのが楽しみになりました。

他には、過去に労働災害で170万人が死傷されていたことを知り、衝撃を受けました(2022年は15万人弱)。

こうした周辺知識は、労働法を誰かに伝えるときにも役立つと思いました。身近に感じてもらえるきっかけになるはずです。

きちんと自分が理解することはもちろん、関わる人に理解してもらえるようにこれからも勉強していきたいと思いました。