「【9枚目シングル発売記念】勝手にSTU48のマーケティング分析」9日目

STU48 9枚目シングル『息をする心』のリリースを記念してアイドルのマーケティングについて考えてみました。

ざっくり大きく語っていきます。そのために、マーケティング・コンセプトの枠組みを使いますね。マーケティング・コンセプトとは「売れる仕組みづくりをするとき、全体を貫く考え方」といったところです。ここでは「プロダクト志向」「販売志向」「顧客志向」「社会志向」の4つにわけて考えていきます*1

 

結論はこんな感じです。

すべてオタクの妄想なので生あたたかくお読みください。なるべく噛み砕いて説明します。

 

いいアイドルは売れる(プロダクト志向)

「プロダクト志向」とは「いいモノが売れる」世界線です。表現したい世界や作品がはっきりあり、消費者は「ありがたく買わせてもらってる」的な感情を持つかもしれません。無理やりアイドルに当てはめるならば、ある時期のももクロがこれなのではないかと思います。

 

買ってもらうアイドルたち(販売志向)

「販売志向」の根っこには「どんどん売ってやる」というマインドがあります。人を増やす、売る場所や回数を増やすなど、量で質をカバーする作戦が取られることが多いです。ライブハウスを中心に活動しているアイドルによく見られるのではないでしょうか。

 

現代マーケティングの教科書アイドル(顧客志向)

ほぼ「顧客志向=マーケティング」とイメージしてもらって良いでしょう。AKB48の公式ライバルとして取られた"チャレンジャー戦略"、アイドル市場が成熟期を迎える中で"大衆"を取り込んだ"ブランド戦略"など、顧客を中心に置いたからこそ乃木坂46とそれに続くグループの繁栄があると思います。

 

「1つの海、7つの県」を中心に活動するアイドル(社会志向)

そもそもマーケティングとは「売れる仕組みづくり」です。商品と顧客をつなぎ、うまいこと商売にして、世の中にその価値や存在意義を認めさせるためにおこなわれます。お金儲けとイコールではなく、他にさまざまな方法があります。それが「社会志向」の考え方です。例えば、企業の社会的責任や社会貢献活動などです。「売る」ことだけでは満たせない気持ちや願いがこの世界にはそれなりにあります。

そこに地域貢献が含まれます。生まれ育った場所を大事にしたい、住んでいる場所をより良く盛り上げたい。そんな願いを拾い上げ、形にするためにSTU48は存在していると思います。

ご当地アイドルという概念もあります。地域に根ざした取り組みを続けているアイドルも少なくありません。しかし、STU48ほど広域を対象に、大人数で活動しているアイドルを僕は知りません。

 

8枚目シングル『花は誰のもの』は大きく話題となりました。その背景にこうしたユニークな存在感があったと分析しています。そして、9枚目シングル『息をする心』がリリースとなりました。もうすぐ3期生も入ってくる感じです。このまま社会志向アイドルとして唯一無二の存在になってくれるのではと変な期待を抱いてしまいます。マーケティング視点でも目が離せませんね!

*1:和田充夫(2022)『マーケティング戦略 第6版』有斐閣アルマ P.3