「ハーズバーグのモチベーション理論 〜不満を埋めても満足しない〜」53日目

ハーズバーグのモチベーション理論について書きます。社会人初期に勉強して覚えた理論でした。なので思い入れがあります。

 

人事管理においてモチベーションの扱いは欠かすことができません。いくつか有名な理論がありますね。「マズローの5大欲求」や「マクレガーのX理論/Y理論」などです。

そんな中で「ハーズバーグの二要因理論」は仕事においてどんなことが満足度を高める要因となり、どんなことが不満足となる要因かを明確にしたものです。

19世紀、産業化が進む中で個人の生産性を高める重要性が背景となって発見されました。

 

具体的には、モチベーションに関わることを「動機付け要因」と「衛生要因」に分けて考えることです。「動機付け要因」は目標の達成、職場での承認、仕事そのもの、昇進と昇給、責任など仕事に前向きになる要素です。「衛生要因」は給与、福利厚生、経営方針、管理体制、人間関係など仕事の不満に関わる要素です。

 

この理論のおもしろいところは、「衛生要因」を満たすだけでは「動機付け要因」にはならないあたりです。例えば、給与のベースアップや福利厚生、人間関係(衛生要因)が求める水準を超えてしまうとどれだけ上振れしても、やりがいや将来性を感じられないと不安感やモチベーション低下から離職や転職につながってしまいます。

逆に、動機付け要因である「やりがい」や「承認」は衛生要因が満たされていない状態では効果がありません。給与に不満がある状態で仕事の成果を褒められたとしても、「いいから給料を上げてくれ」と思うでしょう。

 

もし、従業員のモチベーションを課題に感じているとしたならば、「動機付け要因」と「衛生要因」を切り分けて考える必要があるということです。不満を生む要素が残っているとすればそれを埋めることが先です。そこをクリアして「やりがい」や「承認」が意味を持ちます。

 

以上、ハーズバークのモチベーション理論について説明しました。

離職防止や生産性向上のための原因が「満足」と「不満足」2つの軸で見つけられるかもしれません。