「センスメイキング理論とは何か?」60日目

大学院のレポートを準備していたらセンスメイキング理論について書きたくなりました。

 

この「センス」は「センス良いね」の方ではなく、「シックスセンス」の方に近いです。英語の意味は「感覚」です。英語の「make sense(わかる)」をイメージしてもらえると良いかもしれません。

センスメイキングとは「納得」、「腹落ち」の理論とされます。「組織のメンバーや周囲のステークホルダーが、事象の意味について納得(腹落ち)し、それを集約させるプロセスをとらえる理論」とされます*1

入山章栄先生の『世界標準の経営理論』を参考に考えていきます。

 

センスメイキングの理論はけっこう抽象的です。そこが面白いところなのですが。

なぜかと言えば、哲学の世界が入ってきます。相対主義で物を見ます。自分がどう行動して、相手がどう思って、場がどう変化するのか。センスメイキングの理論は、物の見方や認識の捉え方そのものです。

 

そうしたセンスメイキングは3つのステップがあるとされます。

  1. 環境の感知(scanning)
  2. 解釈・意味付け(interpretation)
  3. 行動・行為(enactment)

まず、情報を感知するステップです。そもそもセンスメイキングが重要となるのは、新しく、予測が困難で、混乱的であり、不確実なシチュエーションです。そうした中で、ありとあらゆる情報を取り入れていきます。

次に、集めた情報を解釈するステップです。センスメイキングに絶対はありません。情報を集めた人が、その人の持つフィルターで世界を見ることを前提としています。チームや組織であれば同じことがメンバーでも起きています。だからこそ、解釈や意味付けが重要になります。

そして、リーダーが解釈を元に行動を起こすステップです。独自の解釈な意味付けをメンバーが納得し、腹落ちする大切な段階です。なぜならば、センスメイキングを支える相対主義では、主体(リーダー)と客体(メンバー)は分離できません。前述したように、自分がどう行動し、相手がどう思って、場がどう変化するのか、その輪そのもので1カウントです。3つ目のステップである行動は終着駅であると同時に新たな始発駅となります。

 

ここまでセンスメイキングの考え方を書いてきました。どちらかと言えば、僕自身の頭の整理のためにこの場所を使ってしまった気がします。

最後にセンスメイキングの7大要素を紹介して終わります。

  1. アイデンティティ:自身のアイデンティティに基づく
  2. 回想・振り返り:事後的に振り返ることでのみセンスメイクできる
  3. 行為:行動することで環境に働きかける
  4. 社会性:自身と周囲を切り離せず、関係性の中で起きる
  5. 継続性:繰り返される循環プロセスである
  6. 環境情報の部分的認知:自身のフィルターでしか認識できない
  7. 説得性・納得性:「正確性」より「説得性」を持ってセンスメイクできる

この記事を読まれた人に何かセンスメイクできていたら最高ですね。

 

 

*1:入山章栄『世界標準の経営理論』、ダイヤモンド社、2019年、P.417